私の出産体験記~前夜祭~
女性にとって出産は人生の一大イベントであり、未知なるものだ。
実際私も産むまでは全然想像がつかなかった。
よく「スイカを鼻から出すくらい痛いの?」と聞かれるが、スイカを出したことがないから分からない。
でも多分そうだと思う。
人生で最も印象的な痛さで、不思議と時間が経てばもう1回でもイケる気がするというのが私の感想。
多分何年か経ったらこの貴重な体験も忘れてしまうから残しておこうと思う。
10月27日、つまり出産前日の午後14時過ぎ。
自分の意思と反して水みたいなものが出てきた。
「…破水??」
ドラマで見ると「破水した!どうしよう!病院へ!!!わー!!」
みたいな展開だけど、正直これが破水なのかもよくわからない。
おかんに「陣痛、来た?」と聞かれるもお腹は昨日からずっと痛いし、これが陣痛なのかすらも不明だ。
(痛さは生理痛の重たいやつレベルで、ずっと痛いのではなくこまめに痛い)
とりあえず心配なので産婦人科に電話し、一応来てくださいとのこと。
本人はいたって冷静なのだが、おかんは初めて車で行くので慌てている。
場所は地図で何度も確認したし、右折する目的地も頭に入っている…はずだった。
荷物を持って車に乗り込み、10分ほど走る。
「にいがた軒っていう寿司屋を右だよ!」と確認した直後、
「…にいがた軒、今通りすぎちゃった。。」
「(…まじかよ、嘘だろ。)」
なんと、気が動転したおかんは寿司屋を通り過ぎていた。
しかもその後も道がわからず周辺をぐるぐる…
なんとか10分後に病院に到着できた。
「診てみますねー」
赤ちゃんの入り口をチェックされるも、まだそこまで開いていないらしい。
破水したかもと話すとリトマス紙のようなもので調べられた。
しかし、破水した場合に変わる色にはならず
「このくらい歩けて話せるならまだ陣痛は来てないわね。今日は一旦帰ってください」
と言われてしまった。
なんだかとても恥ずかしかったが、
「初めてだとわからないよねー!他の妊婦さんもいますよ。陣痛来たら絶対わかるから今日はゆっくり休んでお産に備えましょう!」
と助産師さんに声をかけてもらい、その日は帰宅した。