私の出産体験記~当日中編~
動揺しているおかんとなんとか産婦人科に到着。
昨日の「どうもーちょっとお腹痛くて~」みたいなテンションとは大違いだ。
「…お腹が、、、痛いんです。。。」
私はふとジャングルポケットの斎藤さんを思い出していた。(何故)
部屋が空いてなかったらしく、入口付近の分娩室にそのまま通された。
赤ちゃんの入り口をチェックされ、
「まだ4㎝くらいですけど、これはもう陣痛なのでこのまま産みましょう!」
とのことだった。
診察の時にも使っていた心電図を測るやつみたいな機械をお腹に装着され、
点滴を刺されスタンバイが完了した。
おかんは隣で付き添って、背中や腰をさすったりしてくれていた。
しかし、その日は混みあっていてなかなか助産師さんがその後来てくれない。
度々来る痛みはどんどん強くなり、「ふうぅぅぅぅぅぅ…」と悲痛な声をあげる私。
隣の部屋からは「もっといきまないと生まれないよ!」「ほら頑張って!」
とずっと男性の声がする。
「隣はずっとお医者さん付きっきりなのになんでここには来てくれないのよ!」
と憤るおかん。
ようやく助産師さんが1人来てくれて、入り口を確認すると
「嘘!?もう8㎝も開いてる!もうすぐ生まれるじゃない!」
(え、さっき見られた時はまだ4㎝でもう少しかかるって言われたのに)
「下田さん全開でーーーーーす!!!!!!!」
急に分娩室が慌ただしくなった。
だが、本当にお産が立て込んで人が足りないらしくまたすぐに別室に行ってしまった。
「次大きな痛みが来たらこのナースコールを押して呼んでね」
(3秒後)
「ブーーーーーー」
しかし当然そんなすぐには助産師さんは来てくれない。
「早く誰か来てよ!!!」
パニクるおかん。痛みでそれどころでない私。
しばらくして助産師さんが来てくれ、
「もうお産に入りましょう。ただ一旦体勢を横向きに直してください」
「あぁ、お母さん、誰も来なくて心配になっちゃいましたよね。泣いちゃってる」
(…えぇ!?)
痛い一心だったが、ふと隣を見るとおかんがボロボロ泣いていた。
大事な娘が痛がっているのを見るに堪えられなかったらしい。
「お母さん、このまま出産立ち会われますか?」
(……)
ガラガラ
気づくと隣におかんの姿はなかった。
無言で首を横に振り、待合室に向かったらしい。
…え?ひとり?
唯一頼みの綱だったおかんにも去られ、1人分娩台に残された。
どうなる、私…!